14日間に及ぶ熱戦が昨日終了しました。全273校の監督さん、大変お疲れ様でした。終わってしまうと少し寂しさもありますが、ここで準決~決勝の4試合を振り返って頂き、また今日から夏へ向けて再スタートの活力として頂けましたら幸いです。
準決勝 第1試合 榛原VSならの
先攻となった榛原は、先頭打者を桜井君に戻し、先発はエース田中君と万全の布陣。
対するならのは、ショート上地君が絶不調の為、大石君が2試合ぶりにスタメンへ。準々決勝の激戦で勝利投手となった矢野君は絶好調での先発。
試合は、初回に榛原は幸先よく、四番広瀬君と相手エラーで2点を先制する。
2回裏、ならのは四球で出た松岡君が盗塁、続く斎藤君がタイムリー。そのあとの大石君が起用に応えるタイムリースリーベース。その後も、連続四球で満塁とし、伊藤君が走者一掃のタイムリースリーベースを放ち、この回一挙5点で逆転。更に相手エース田中君をマウンドから降ろす。
3回裏、前イニングと同じく、松岡君四球から盗塁を決め、斉藤君が返して更に1点追加。
榛原は4回に好打者・桜井君の今日初ヒットがタイムリーとなり1点返すも、その裏伊藤君の2ランでリードを広げる。
しかし、5点差を追い掛ける榛原は5回、先頭野村君の長打から小林君のタイムリー内野安打で1点返す。
その後、5回裏~7回表まで、榛原・小林君と加藤君、ならの・矢野君がそれぞれヒットを許さない投球を見せる。
そんな落ち着き始めた状況から7回裏、ならのは斎藤君・大石君の連打から、千葉君の内野安打の間に1点加える。
榛原は、8回1死1・2塁や9回先頭の桜井君出塁のチャンスメイクも活かせずに無得点で試合は終了となった。
勝ったならのは、序盤に勝負を決める大量得点と、それに油断する事無く先発矢野君はQSを決め、続く吉岡君も無失点の好投で終始試合を支配した。万全の流れで、決勝の舞台へ進む。
敗れた榛原は、三番野村君・四番広橋君が二人合わせて2安打・1打点と今日も課題を露呈する形に。
しかし、苦しい場面での登板となった三番手・加藤君の好投や、今日も無失策のこのチームは7試合でたった3失策のみと、ポジティブ材料も多く三決へは切り替えって臨みたい。
準決勝 第2試合 なつぞら学園VS吉祥
先攻のなつぞら学園は、前戦から五番広瀬君が絶不調の為、有馬君と入れ替え。先発は満を持してエース山川君。
一方の吉祥は、今日もおなじみとなった固定オーダーで、先発マウンドを託されたのは、こちらもエース富田君。
試合は序盤、1・2回は互いにエースが1被安打のみと素晴らしい立上りで、静かなスタートを見せる。
先制は3回裏の吉祥。2死から相手投手、山川君のエラーで出塁し、続く岩原君がタイムリーツーベースを放ち、ワンチャンスをものにする。
嫌な流れを断ち切る攻撃をなつぞら学園は直後見せる。先頭の四番中山君が出塁し、盗塁。続く五番有馬君がタイムリーで返し、即同点。これで試合は動き始めることに。
4回裏、吉祥四番中西君がソロを放つと、5回表に三者凡退。5回裏に一番田中君もリードを2点とするソロを放ち、中盤に流れを引き寄せる。
しかし6回表、ここまで5被安打・1失点と好投していたエース富田君が捕まる。2本のヒットを許すと先ほどソロの田中君がエラーで1点、続く岡君がタイムリー、更に後続の投手山川君の併殺崩れ間に1点を追加し、遂になつぞら学園は逆転。相手エースをマウンドから降ろすことにも成功。
その後、6・7回はエース山川君が三者凡退に切り、流れは完全になつぞら学園に。力投を続ける山川君は、8回にタイムリーツーベースを放ち、なんと自らのバットでリードを更に2点広げる。
8回も三者凡退に打ち取るも、吉祥最後の攻撃となる9回裏、この回先頭の藤田君、続く金井君が連打で出塁。
無死1・2塁、一発出れば同点の場面も、なつぞら学園エース山川君は後続を打ち取り、最後までマウンドを守った。
勝ったなつぞら学園は、山川君の一人舞台となった。自身のエラーから先制を与えてしまったが、投げては無死四球・自責点2で完投。打っては併殺崩れながらも逆転打点と、8回の自らを援護するタイムリーツーベースで合計3打点。
また、四番中山君は、4回と6回のキーイニングに先頭でチャンスメイクに廻り、彼の活躍も見逃せない。エースと四番はチームに勢いを与える活躍で、決勝へ向け最高の流れを作った。
敗れた吉祥は、5回までは良い流れで進んでいたが、やはり6回表か。完全に打ち崩された訳ではないのに、味方のエラーや併殺漏れもあっての降板となったエース富田君は悔やまれる。
打線は上位とクリーンアップが全員安打を記録しており、最終回に見せ場を作るも惜しくも及ばなかった悔しさは、三決で晴らしてもらいたい。
三位決定戦 榛原VS吉祥
先攻になった榛原は、前戦より上野君を下げ、準々決勝で活躍を見せた平山君を起用。先発は左打者対策で5回戦以来の登板となる左腕・矢崎君。
対して吉祥は、変わらぬ信頼のオーダーで、先発マウンドへは準々決勝で完投勝利の鈴木君。
試合は、序盤静かな立ち上がりを見せ、3回表にスコアが動く。
榛原の平山君が四球を選び、続く三番野村君がタイムリーツーベース、更に四番広橋君がタイムリーと2点を先制。
その後、吉祥先発鈴木君は立ち直り3回の失点以降6回まで被安打2本と力投し、対する榛原先発の矢崎君は初回からここまで許したヒットは3本と好投を見せる。
そんな中迎えた7回表、榛原はこの回投手矢崎君が四球で出塁し、三番野村君が犠牲フライで返す。自らの生還で好投を援護し、リードを3点とする。
その後も矢崎君は好投し、ヒットを許さずここまで全7試合で安定した打撃を見せていた吉祥打線を苦しめる。
そして迎えた9回裏、吉祥は四番中西君がツーベースで出塁し、金井君がタイムリーで返し1点返す。そして、矢崎君をマウンドから降ろすも、後続が倒れ試合終了を迎える。
3位となった榛原は、課題であった三番野村君・四番広橋君がようやくここぞの場面で打ち、それぞれマルチを記録し、二人で全打点を挙げる活躍。投げては先発矢崎君が吉祥打線相手に8回2/3を被安打5・1失点の好投。
そしてこのチームのストロングポイントの堅守は、4試合連続無失策で締め、大会通算8試合で3エラーのみ。試合平均0.375失策と鉄壁の守備を誇った。
ベスト4となった吉祥は、大会終盤になるにつれて打線が大人しくなってしまった印象。しかし、四番中西君は今大会4ホーマー含む19安打で打率.575に10打点。三番佐藤君も3発10打点。六番金井君は30の18で打率.600に加え8打点と中軸は安定して打っていた。
また、投手陣もエース富田君は23回2/3を自責点3で防御率1.14を含む、チーム防御率は1.77であり、非常に投打のバランスが取れたチームであった。
決勝 ならのVSなつぞら学園
先攻のなつぞら学園は、全試合よりショート松本君に代え小浜君。先発は準決勝で波に乗り、絶好調で迎えられた山川君。
対するならのは、準決勝とまったく同じオーダーで、先発マウンドも同じく矢野君が登る。
試合は初回からなつぞら学園は打線が火を噴く。
有馬君・佐々木君の連続タイムリーツーベースで3点を先制。その裏を三者凡退で切ると、2回表またしても有馬君が2点タイムリーで相手先発矢野君を攻略。ならの二番手白石君も流れを止められず更に2点失う。
2回裏、ならのは土井君と斎藤君のタイムリーで2点返すが、その後が続かない。
4回なつぞら学園は、小浜君・松浦君のタイムリーツーベースと、赤嶺君の2ランで4点追加。ならのは三番手吉岡君にスイッチ。
しかし、6回。なつぞら学園は相手の連続エラーもあり、松浦君・赤嶺君・斎藤君の上位打線が3連続タイムリー、更に佐々木君のタイムリーで、ならの投手は四人目中山君に。
その後、中谷君と井上君の継投で1失点に食い止めるも、ここまでイニング換算で試合平均約10得点のならの打線は、相手エース山川君を3回の得点以降、なかなか捉えることが出来ず、終始なつぞら学園ペースで試合を終える。
優勝したなつぞら学園は、準決勝で四番に頼りっきりであった打線が、この決勝の舞台で四番以外が大爆発した。5人の猛打賞に、3人が打点。初回・4回・6回の連続タイムリーは圧巻であった。
どこからでも仕掛けられる強力打線で今大会最多となる11発・84得点は見事であるが、失点も最少の14点(投手陣の自責点は9、チーム防御率1.35)というところが素晴らしい。
大会MVPは、準決勝・決勝を共に無死四球・自責点2で完投したエース山川君(大会通算37イニング・自責点5、防御率1.22)で文句なしであろう。
大会期間中に2投手を負傷で欠く危機を乗り越え、圧倒的な力を見せつけて悲願の初タイトルは相応しいものであり、強烈なインパクトを残したなつぞら学園は、更なる高みを目指して春季近畿地区大会へ奈良県王者として乗り込む。
準優勝のならのは、62得点は大会2位の記録。決勝でもならの強力打線の核となる千葉君・井戸君・伊藤君・久米君・土井君の上位打線は打っていたが、下位が全滅であり優勝校との差がそこに出てしまった。
また、投手陣は意外にも初回から打ち込まれてしまい、実力差以上のスコアとなってしまった。しかし、エース矢野君は今大会8戦中6試合で先発し、ゲームを作ってきた貢献度は非常に高い。
近畿大会までの1ヶ月、ストロングポイントには更に磨きをかけ、頂点へあと僅かであった課題は修正を図り、奈良県代表として力を見せ付けて欲しい。
大会総括
今大会は序盤から多くの波乱が起こりました。
シード校16校の内、3回戦で2校、4回戦で3校、5回戦で3校が敗れ、ベスト16入りで夏大会シード権を確保したのは半分の8校となりました。
特に第15ブロックは印象的で、シード校のみならず対戦カードのレート上位校側が続々と敗退する下剋上ブロックとなりました。
これらはトーナメントを勝ち上がる難しさを表していたのと共に、真剣に取り組んでいる監督さんが多いからこその結果だと思います。
「俺の甲子園をみんなで盛り上げよう!」内の「我が奈良県は」に記したように、俺甲において先進的な奈良県は全国有数の激戦区であると考えます。
小泉さん・柳原さん・天照学舎さんのベスト16入りはその象徴でありましたし、多くの学校はその躍進に勇気を貰い、「夏は我が校がっ!」と思ったに違いありません。
また、2019年創立組で唯一ベスト16入りの91田原本農業さんは、監督スキルP不足や3年生不在のハンデを感じさせない戦いぶりに、夏のリベンジを心に誓った後発組校は少なくないはずです。
準決勝まで勝ち上がるには、やはり実力と選手層が必要で、ベスト4以上の榛原さん・ならのさん・なつぞら学園さん・吉祥さんは、いずれも県ランキングトップ10の常連校でした。
実力が拮抗した戦いは、僅かな狂いやミスで勝負が決まってしまう為、当日の選手の調子を踏まえたオーダー・決勝までの投手ローテ、また采配方針や疲労を考慮した継投計画など、各名将の采配は見ものであったと同時に学ぶべき事が多くありました。
優勝校のなつぞら学園さんと、準優勝のならのさんは、1か月後の春季近畿地区大会に出場されますので、みんなで応援しましょう!
それと同時に、次に目指すは夏・甲子園地方予選奈良大会の初戦7月2・4日に向けて、また頑張っていきましょう!
最後に、ビギナーさんからベテランさんまで皆さんに読んでほしい事
我が校は昨年5月の参入で、周りとの圧倒的な実力差になかなか結果が出ずに苦しんでいる中、迎えた初の公式戦。
夏の甲子園奈良大会の初戦、うちは投打に何もできず大差のコールド負け。
今思えばゲーム開始2ヶ月では当然の結果であるが、当時の私からすれば「2ヶ月間も地道にコツコツと毎日やってきてこの結果かよ!おもんねっ」と、もう俺甲を辞めるつもりでいました。
しかし、試合後しばらくしたら対戦相手であった吉祥さんからあいさつ(メッセージ)が来て、『本日はありがとうございました。貴校の分も明日頑張って参ります。』と。
「そういえばこの人、試合数日前にも明日はよろしくお願いしますとわざわざメッセージくれてたな~」そのメッセージを読んで、初めて他校を応援したいという気持ちがこみ上げてきました。同時にそれまでまったく活用していなかった掲示板の存在意義に気付きました。
そして、その言葉があったから敗退後も私は毎日俺甲に勤しみ、やがてその楽しさに気付き、今では多くの学校さんと交流して頂けるようになりました。吉祥さんには本当に感謝しています。
そのしばらく後に、我が校の基盤を作るのにいろいろとお教え頂くことになる師匠の享愛さんと出会いました。日々疑問点を師匠なりの見解でお教え下さいました。
その享愛さんが今大会、惜しくも6回戦で敗れベスト16で大会を終えた時に、やりとりさせて頂いたメッセージの中で、クリーンアップにホームラン打たれた事をお相手だった阪神学園さんに擬えて、『バース・掛布・岡田を彷彿し、何度も空を見上げてしまいましたぁ』と。
また、私がその試合を振り返るメッセージを送るのに、「うちみたいな格下が偉そうにすいません」と謙遜すると、『俺甲に格上も格下もありません。みんなそれぞれの思いを持ってプレイしているから皆対等ですよね!』と。
実力からしてもっと上を目指しておられたであろうに『また今日から大好きな日々の地道な練習に励みたいと思います!』とメッセージの文末。
…もう、心の広さ・器の大きさに感服し、私の心は洗われました。享愛さんにそのつもりは無いのでしょうが、俺甲のみならず人間性まで高めて頂いてます。
私は、吉祥さん・享愛さん以外にも多くの学校さんと日々交流させて頂いており、本当に感謝しています。
今大会4回戦は日曜日であったので、多くの学校さんが我が校の試合中にNR学園掲示板にて応援して下さいました。敗れはしましたがとても有意義な時間を過ごさせて頂きました。
私も可能な時間は、交流ある学校さんの応援に駆け付けました。これも俺甲の醍醐味だと思います。
今後は私も諸先輩方のように、新加入・新設校さんをこれからは支える立場になりたいと思います。
しかし、コロナウイルスの影響でリアルのセンバツは中止となり、夏の甲子園もこのままでは開催されるのかわかりません。例年高校野球が盛り上がりを見せるシーズンに俺甲参加者も増えますが、「俺の甲子園をみんなで盛り上げよう!」内で危惧している通り、このままでは減少の一途を辿る事になりかねません。
そこで皆さんにお願いです。
ベテランさんは1年未満の学校を気にかけてあげて下さい。ビギナーさんはどんどん周りの既存校に頼って下さい。
練習試合後には、一言で良いのでメッセージを送りましょう。公式戦では、試合前挨拶と試合後に労いの声掛けをしましょう。
そうやって、みなさんで俺の甲子園を盛り上げていきましょう!
最後に、初めて試みた大会展望や略筆でしたが、最後までご覧頂きまして感謝致します。
誤字・脱字や文法上おかしい文章など、お見苦しい点が多々あったかと思いますが、多くの学校さんから喜びや励まし、また楽しみにしていると大変嬉しいメッセージを日々頂きまして、本当にありがとうございました!
今後も俺甲をより楽しめるように、様々な記事を更新していきたいと思います。
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