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監督の独り言

新時代へ導いた”最後”の大会

男子マラソン日本新記録監督の独り言

8ヶ月振りに『監督の独り言』を更新します(^^ゞ💦
2020年はコロナで様々なスポーツが規模縮小・延期・中止となり、なかなか執筆する機会がありませんでしたが、今日歴史が変わったレースを目撃し書かずにはいられなくなりました(;^ω^)

歴史的なレース

本日2021年2月28日、歴史的なビッグレースとなったのは、”びわ湖毎日マラソン” です。

大迫傑選手(NIKE)が日本新記録を更新した昨年の東京マラソンから365日後の今日、更に日本記録が更新されました!しかも、日本人史上初となる2時間4分台への突入という大偉業にてです💦

ニュースター鈴木選手

驚異的な記録を出したのは、鈴木健吾選手(富士通)です。
レースはペースメーカーが30kmまで引っ張り、大会記録を大きく超えるハイペースで進みました。
ペースメーカー離脱後は徐々に先頭集団が縦長になり、S.カリウキ選手(戸上電機製作所)が先頭で1km3分ペースを刻み、その後ろに鈴木選手と土方英和選手(Honda)がピッタリ付けて3選手が優勝を争う展開になりました。

優勝及び日本記録の決め手となったのは36km過ぎ。
最後の給水地点で、鈴木選手はSPドリンクを取り損ねてしまう致命的なミスも、他2選手がドリンクに手を伸ばしている瞬間に一気にスパート
「行くしかないと切り替えた」とは、レース後のインタビューだが、その決断度胸には驚かされました(@_@;)

見る見るうちに2選手を引き離し、スパート後の最初の1kmは2分51秒というとんでもないスピード。
“勝負には出たが流石に最後までは持たないだろう、あくまで勝つ為に揺さ振る作戦なのだろう” とテレビを見ていて思っていました。

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驚異的ロングスパート

しかし、以後もペースは落ちることなく、実況も解説もそれまで照準としていた大会記録でなく日本記録を意識して話始めました。
当然、見ている私も鈴木選手の表情やピッチを見て記録更新に期待し、手に汗握り心の中で応援してました。”ギリギリ数秒更新できるんじゃないか、いける!” と。

その後は、むしろ加速しているかの様に感じさせる走りで、ラップは1度の3分01秒を除いては全て1km2分50秒台前半ペース! そして、未知の領域までを射程圏内として競技場へ戻ってきた鈴木選手は、最後まで力強い走りで大迫選手の記録を33秒も更新する2時間4分56秒の日本新記録にてフィニッシュ✨ 日本人初の4分台への突入となりました!

ゴール後もけろっとした表情で、42.195kmは素よりラスト5km以上の驚異的なロングスパートが嘘かの様な笑顔を鈴木選手は見せていました(; ・`д・´)

驚愕のインタビュー

レース後もまだ驚かせてくれました。月桂冠をかぶった彼は優勝インタビューで、
「これまでのレースで、今回が一番疲れていないです」

…(゚Д゚;)💦マジか! 日本新記録、そして4分台に突入した直後が一番疲れていないってどういう…💦
しかし、これ程の記録をたたき出す選手はそういうものなんでしょうか? 凡人の私には理解し難いです(^^ゞ

日本新のみならず歴史に刻まれるレース

鈴木選手だけではありません、まだ驚きは続きます! スパートで離されるも粘りの走りで、土方選手は2時間6分26秒で2位。
続く3位には、終始後方でレースを進めていた細谷恭平選手(黒崎播磨)が大捲りの2時間6分35秒でフィニッシュ。

まだまだ止まりません!! 25km地点で一度仕掛けた井上大仁選手(三菱重工)は2時間6分47秒で4位、そして5位の小椋裕介選手(ヤクルト)までが6分台を記録し、当然5選手はパーソナルベストであると同時に全員が日本歴代十傑入り(;゚Д゚)💦

まだまだまだです!!! 有名・有力選手でピックアップすると、日本記録立役者と言って良いS.カリウキ選手や菊地賢人選手(コニカミノルタ)、一番知名度が高いであろう元公務員・市民最強ランナー川内優輝選手(あいおいニッセイ)ら6~15位までの10選手が7分台💦

まだまだまだまだ‼ 青学2015年度最強メンバーの一角、下田裕太選手(GMO)や髙久龍選手(ヤクルト)ら13選手は8分台
なんと総勢42名もの選手がサブテン(2時間10分を切る事)をマーク、日本人選手に限っても40名が記録しました!

まだ終わりません‼ 東京パラリンピックを目指している永田務選手(新潟陸協)は、アジア記録を大幅更新する世界ランク2位相当の記録でゴールし、代表内定をほぼ手中に収めました

…かつてこんなレースがあったんでしょうか? まさしく歴史に残るレースになったと思います(*ノωノ) これがどれほど凄い事かと言いますと、年間通してでサブテンを記録する日本人選手はだいたい10名前後しかおらず、昨年の東京マラソンでは異次元となる1レースで19名もの選手がサブテンを果たしていました。それが今回は倍以上となる40名、お分かりいただけるかと思います💦
それを生で終始観戦、目撃出来た私は幸せです✨(日曜だからって二度寝しなくて良かった( *´艸`) )

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歴史的レースとなった要因

これ程までに好記録が連発した背景には、今日のコンディションがあってこそです。
マラソンに適した気温湿度であり、天候が曇りであった事は勿論のこと、例年選手達を最後に苦しめる吹きおろしの強風が、今日は皆無と言って良いほどに吹いていなかったそうです。

もちろんNIKEのエアズーム アルファフライ ネクスト%に代表される厚底シューズも、昨年に引き続き好記録を生む大きな要因となっていますし、同時期開催で市民ランナーも参加する別府大分マラソンや東京マラソンが今年はコロナ禍により中止される一方、参加資格・条件が必要であるびわ湖毎日マラソンは開催される運びとなった為に有力選手が集中した事も要因です。

これらの好条件を踏まえても十分に凄い出来事ですが…💦

歴史的レースとなった大会は今日がラスト

国内マラソン大会において、最も歴史の長い伝統ある”びわ湖毎日マラソン”。
これまでオリンピックや世界陸上の選考レースとして開催されてきましたが、今日の歴史的レースが最後となってしまいました(◞‸◟)

その理由は大きく二つです。
ひとつは、都市型マラソンの流行。より多くの選手や市民ランナーが集うレースが日本各地で行なわれる様になり、参加者が多い程収益が上がる都市型マラソンにスポンサーが流れている為です。
もうひとつは、“伝統”のびわ湖毎日マラソンよりも、“記録”を狙える高速コースを選択する傾向がトップクラスの選手である程、強くなった為です。

オブラードに包まず言ってしまうと、同時期開催である東京マラソンのステータスが、17年のコース変更(平坦化・高速化)により一気に高まった為、人も金も流れてしまったということです。
昨年は大迫選手や設楽悠太選手(Honda)らビッグネームが挙って参戦し、コロナ禍でなければ例年は市民ランナー併せて約4万人が走ることになる参加者数も注目度も収益も国内最高峰レースです。
それに太刀打ちする為にインフラ整備が必要なびわ湖毎日マラソンは、現状開催をも維持することが出来ず、やむを得ず来年から大阪マラソンに吸収合併される事になりました。

びわ湖毎日マラソンの最後の意地? 否、76回分の感謝。

奇しくも最後となった今回、このレースが終わってしまう理由となった“記録”面で、皮肉にも日本新記録をはじめ数多くの好記録が生まれ、近年集められなかったビッグネーム・ニュースターに関しては逆に輩出するにまで至りましたが、
それらがあったからこそ “びわ湖毎日マラソン” という“伝統”レースの名は、歴史や人々の記憶に深く刻まれることになりました。琵琶湖での大会は、日本の歴史を変えるという有終の美を飾ることが出来たのだと私は思います。

今後もちょこちょこ「監督の独り言」を更新していきたいと思います(^^ゞ 特に昨年、東京五輪予想をしていた野球とサッカーの日本代表メンバー「俺の東京五輪・サッカー編:20年3月執筆」「俺の東京五輪・野球編:20年6月執筆」。 この1年で勢力図も少し変わったので、比較しながら新たに2021開催Verの選考もしてみたいと思います⚾⚽✨

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